中部エコテック株式会社は、循環型社会の実現を目指す環境ソリューションを提供する企業。汚泥の肥料化やエネルギー化技術をはじめ、有機性廃棄物・産業廃棄物を有効活用に関するサービスを提供しています。高度な技術力と豊富な実績を基に、国土交通省の「B-DASHプロジェクト」に参画し、自治体や地域社会と連携し、持続可能な未来づくりを支援しています。開発したコンポの納入実績は4,000台以上(2024年12月時点)にのぼります。
汚泥を資源として活用するには、適切な処理プロセスが不可欠です。従来の焼却や埋立処分とは異なり、肥料化技術を活用することで、持続可能な資源循環が可能になります。ここでは、汚泥が肥料として再生されるまでのプロセスを紹介します。
下水処理場から搬出された汚泥は、肥料化処理を行う「コンポストセンター」へ輸送されます。搬入された汚泥は、原料ピットに一時貯留され、適切な管理のもとで処理工程へと供給されます。
下水処理施設から汚泥が運ばれる
汚泥水分が約78~80%の状態
汚泥水分が約82~85%の状態
その後、汚泥は発酵機へ投入され、微生物の働きにより発酵処理が行われます。この過程で発生する臭気は、脱臭装置を通じて処理され、主にアンモニアなどの臭気成分が除去されます。
汚泥をコンポに投入
コンポ内で発酵
臭気装置でアンモニア除去
原料の投入から約1~2週間の発酵期間を経て、汚泥は堆肥化されます。この過程で水分が徐々に蒸発し、最終的に堆肥は乾燥し、さらさらとした粉状の形態へと変化します。
発酵後、払い出し
ストックヤードで保管
堆肥は、農家での利便性を考慮し、必要に応じてペレット状に成形加工されます。その後、袋詰めされ、出荷工程を経て農家へ供給・販売されます。
安全な野菜のできあがり
汚泥を肥料として活用すること(汚泥の肥料化)には、環境面・経済面・農業面でさまざまなメリットがあります。以下にその主な利点をまとめました。
下水汚泥にはリンや窒素などの貴重な資源が含まれており、特にリンは年間約230万トン発生する汚泥の中に約5万トン含まれています。この貴重な資源を有効活用し、下水汚泥を肥料として利用する取り組みを拡大することは、農林水産業の持続可能性を高める重要な手段として期待されています。
汚泥を肥料として活用することで、埋立処分場の使用量を削減し、埋立地の寿命を延ばすことが可能になります。さらに、焼却処理に伴う二酸化炭素やメタンの排出を抑えることで、環境負荷の軽減にもつながります。
汚泥を肥料として地元農業に提供することで、収穫量の向上が期待できます。さらに、汚泥の肥料化プロセスに関連する技術開発や運営に伴い、新たな雇用の創出につながる可能性もあります。
汚泥を肥料として活用することで、焼却や埋立にかかる高額な処分費用を削減できます。さらに、自治体が農家向けに肥料を提供することで、輸入肥料への依存が低減し、地域全体のコスト削減にもつながります。
日本では主要な化学肥料の原料をほぼ海外からの輸入に依存しています。2021年以降、穀物需要の増加や原油価格の上昇に加え、中国の輸出規制強化などの影響で、肥料原料の国際価格が急騰しており、こうした状況を踏まえると、汚泥の肥料化がその負担を軽減する一助となることが期待されています。
下水汚泥の肥料化は、ゴミを減らしながら貴重な資源を有効活用できる、一石二鳥の取り組みです。環境負荷の軽減や農業の活性化、さらにはコスト削減まで、メリットはたくさんあります。特に、海外依存が高い肥料問題の解決策としても注目されています。自治体や企業がもっと連携し、この流れを加速させることで、持続可能な社会に一歩近づけるはず。捨てるのではなく、活かす発想がこれからのカギになりそうです。
中部エコテックは、環境問題が今ほど注目されていなかった時代から、持続可能な未来を見据えて歩んできた企業です。1976年に飼料の環境改善部として設立され、畜産現場の課題解決を目的に、家畜の排泄物処理装置(コンポシリーズ)を開発。今では総台数4,000台(2024年12月時点)を納品しています。その技術は進化を続け、現在では食品リサイクルや下水汚泥の肥料化などの分野にも応用されています。微生物の力を活かした環境負荷の少ない処理技術を通じて、循環型社会の実現を目指しています。
中部エコテックの「縦型コンポスト」は、微生物の力を活用し廃棄物を発酵させて堆肥化・燃料化する装置。焼却処理と異なり、有害物質を発生させず、大量のエネルギーも不要。自然発酵のメカニズムを活かし、必要最低限のエネルギーで処理が可能です。好気性発酵を適切に管理できるため、悪臭の原因となるメタンの発生を抑え、良質な「有機質肥料」を製造。有機汚泥の再資源化を実現し、環境負荷の低減に貢献します。
中部エコテック株式会社をはじめ、UBE三菱セメント株式会社、株式会社クボタ、島根県、日本下水道事業団の5者による共同研究チームが提案したこの技術が、国土交通省が主導する下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)において、「縦型密閉発酵槽を活用した下水汚泥の肥料化技術実証事業」を提案し、令和5年度の同事業に採択されました。
中部エコテックでは、「事業再構築補助金」や「国内肥料資源利用拡大対策事業」などの補助金申請のサポートも提供しています。
実際に中部エコテックのコンポを導入して運用している企業等にインタビューをしました。
和歌山県でリサイクル事業を通じた有機質肥料の製造・販売を行う 再創社(みなべコンポストセンター) を取材しました。焼却炉廃止に伴い、それ以外の方法を検討していた再創社。汚泥の肥料化装置の導入経緯、高い処理能力とコストメリット、密閉式・微生物発酵へのこだわりや、今後の展望についても深掘りします。
中部エコテック株式会社は、循環型社会の実現を目指す環境ソリューションを提供する企業。汚泥の肥料化やエネルギー化技術をはじめ、有機性廃棄物・産業廃棄物を有効活用に関するサービスを提供しています。高度な技術力と豊富な実績を基に、国土交通省の「B-DASHプロジェクト」に参画し、自治体や地域社会と連携し、持続可能な未来づくりを支援しています。開発したコンポの納入実績は4,000台以上(2024年12月時点)にのぼります。
汚泥資源の活用支援は各省庁で支援や補助の対象となっています。まずはどのような支援・補助があるのか確認しましょう。
地方公共団体が事業計画に基づき整備する下水汚泥の肥料利用化施設の整備を支援するものです。補助対象は、地方公共団体が整備する施設及び民間事業者が一体的に整備する関連施設。補助率は5.5/10、民間事業者への補助は総費用の1/3または地方公共団体の助成額の1/2のいずれか低い額。要件として年度計画を含む事業計画書の作成が必要。【管轄機関:国土交通省】
地方公共団体が下水処理場内に整備するコンポスト設備や、下水汚泥・焼却灰からリンを回収する設備の整備を支援するものです。令和5年度より、汚泥の肥料利用施設・リン回収施設は重点配分項目に指定されています。補助率は5.5/10です。地方公共団体が下水道事業の一環として計画を策定し、補助申請を行うことが要件となっています。【管轄機関:国土交通省】
地方公共団体が下水汚泥と他のバイオマスを一体的に燃料などとして有効利用するための施設整備を支援するものです。これには、下水汚泥とバイオマスを混合・調整するための設備の整備も含まれ、肥料利用の促進も目的としています。補助率は5.5/10です。地方公共団体が事業計画を策定し、補助申請を行うことが要件となっています。【管轄機関:国土交通省】
肥料原料の高品質化や国内資源由来肥料の製造に必要な施設整備を支援するものです。対象となる施設は、コンポスト化処理施設、乾燥施設、臭気設備、ペレット化施設などです。補助率は1/2以内となっています。要件として、肥料原料供給者・肥料製造業者・肥料利用者の連携を位置付けた計画を有していることが求められます。事業の実施期間は令和6年度中です。【管轄機関:農林水産省】
汚泥資源の肥料利用を促進するための調査・計画策定・分析機器導入を支援するものです。具体的には、汚泥の重金属や肥料成分の分析調査、事業計画の策定、分析機器の導入費用が対象となります。補助率は10/10(全額補助)で、上限額は浄水発生土・下水汚泥を一体的に利用する場合3,000万円、下水汚泥のみの場合2,000万円です。要件として、年度計画を含む事業計画書の作成が必要となります。事業期間は令和6年度から令和12年度までです。【管轄機関:国土交通省】
中部エコテック株式会社は、循環型社会の実現を目指す環境ソリューションを提供する企業。汚泥の肥料化やエネルギー化技術をはじめ、有機性廃棄物・産業廃棄物を有効活用に関するサービスを提供しています。高度な技術力と豊富な実績を基に、国土交通省の「B-DASHプロジェクト」に参画し、自治体や地域社会と連携し、持続可能な未来づくりを支援しています。開発したコンポの納入実績は4,000台以上(2024年12月時点)にのぼります。
下水汚泥には「リン」「窒素」「カリウム」などの成分が含まれています。特にリンは化学肥料の重要な原料ですが、日本ではその全量を輸入に依存しているのが現状です。限られた産出国に依存し、価格の高騰も続いているため、早急な対策が求められています。こうした背景の中、下水汚泥の肥料化は、国内での安定供給を確保する手段として注目されています。
下水汚泥の肥料化には、「環境負荷の軽減」「輸入コスト・処分コストの削減」「連作障害の防止」「地域農業への貢献」といった多くの利点があります。一方で、「初期投資が必要」「法規制の遵守が求められる」などの課題もあるため、導入にあたっては慎重な検討が必要です。実際の活用を進める際は、専門家に相談することをおすすめします。
汚泥肥料には、重金属や化学物質が含まれる可能性があるため、国や自治体が厳格な基準を設け、定期的な検査・管理を行い、安全性を確保しています。また、原料となる下水汚泥の品質を監視するため、国と地方自治体が連携し、定期的な検査・モニタリングを実施しています。
汚泥肥料には、ヒ素・水銀・ニッケル・鉛などの重金属が含まれる可能性があります。これらが土壌に蓄積すると、作物に吸収される恐れがあるため、注意が必要です。このリスクを防ぐため、政府は汚泥肥料中の有害重金属に関する基準を設定。基準値を超える製品は販売・流通が禁止されており、厳しい管理のもとで流通が行われています。
下水汚泥の肥料化を推進するため、政府は「下水汚泥肥料化推進事業」「みどり投資促進税制」「農村整備事業(農業集落排水汚泥農地還元推進事業)」など、さまざまな支援策や補助金制度を設けています。各制度の支援内容や要件は異なるため、補助金の活用を検討する際は、幅広く情報収集を行うことが重要です。
日本では、化学肥料の原料となる成分の多くを海外からの輸入に頼っており、国際情勢による供給の不安定さや価格の変動が課題となっています。その解決策の一つとして注目されているのが、下水汚泥の活用です。下水汚泥には、化学肥料の原料となるリンや窒素が豊富に含まれており、これを利用することで、肥料の国産化と安定供給の確立が期待されています。
水処理や排水処理の過程で必ず発生する「汚泥」。近年では、堆肥や建材、エネルギー源などに再利用する動きが進み、「廃棄物」から「資源」へと見直されつつあります。
「汚泥とはそもそも何なのか?」「汚泥処理にはどんな方法があるのか?」「処理費用はどれくらいかかるのか?」といった基本的なポイントを、わかりやすく解説していきます。