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農林水産省では、下水汚泥を肥料として活用するために、国土交通省と連携してさまざまな取り組みを行っています。中でも注力しているのは、下水汚泥を農業に活用する取り組みです。ここでは、農林水産省の具体的な取り組みをご紹介します。
農林水産省では、「生産力向上」「肥料の安定供給」「環境負荷の軽減」という3つの観点から下水汚泥の活用に取り組んでいます。以下で詳しく見ていきましょう。
下水汚泥にはリンや窒素などの栄養分や微生物が多く含まれています。ミネラルも豊富なため、肥料として使用することで、土壌の中の病原菌を抑制したり、病害を防いだりすることが可能。また、土壌の通気性や保水性向上や、重粘土の改良効果なども得ることができます。
特に、病害菌の密度が高くなって発生する連作障害には効果的。このため、生産力向上と持続性の実現に向けて、汚泥肥料の活用を目指しています。
日本では、食料生産を支える肥料原料の多くを輸入に頼っていました。このため肥料原料の供給や価格が国際状況に左右されてしまうという課題を抱えています。
しかし、下水汚泥から肥料原料を回収できれば、脱輸入で肥料の国産化・安定供給を図ることが可能です。農林水産省では汚泥を肥料資源として活用し、農業に還元していくためのさまざまな取り組みを行っています。
これまで産業廃棄物として処分していた下水汚泥を活用することで、焼却処分の際に排出していたCO₂を削減することが可能です。また、埋め立てのための用地を減らし、環境負荷を軽減することができるでしょう。
枯渇が心配されている資源に頼らず、再生可能なリソースを活用することは、環境に優しい農業を実現することにつながります。こうした観点から、汚泥の肥料化による「CO₂排出削減」「土壌改良効果」の実証研究を支援しています。
汚泥肥料等とは、汚泥を乾燥や粉砕、発酵させて肥料として活用するものです。この汚泥肥には窒素やりん酸といった植物に有益とされている成分を多く含んでいますが、有害な重金属が含まれている可能性もあります。そのため、農林水産省は汚泥肥料中の有害重金属の基準を設定し、その基準値を超える濃度の有害重金属を含んだ製品の生産や販売を規制しています。肥料中の有害成分の規制値は下記の通りとなっています(乾燥状態)。
また「菌体りん酸肥料」とは、肥料の安定供給と持続可能な農業生産の実現のため、令和5年10月に定められた肥料の公定規格です。下水汚泥を活用した肥料ですが、肥料成分が保証されており施肥設計がしやすい点や、登録肥料の原料や指定混合肥料の原料として使用できるなどさまざまなメリットが期待されています。
保証成分としては、りん酸全量を1%以上含むことが必要である点に加え、ひ素やカドミウムなど重金属の含有量について基準(汚泥肥料と同様)が定められており、この基準値を超過するものは生産・流通できません。また、菌体りん酸肥料は年4回以上の成分分析が義務付けられており、品質管理がより徹底されている肥料として認識してもらいやすいといった面もあります。
汚泥肥料には、鉛やカドミウムや水銀などの重金属・有害物質が混入している場合があります。このため肥料化する際には、主成分や有害成分の分析を行い、基準を下回るようにしなければなりません。
農林水産省では、「肥料取締法」に基づき、下水汚泥を原料とする肥料の品質・安全基準を設定。肥料を安全に使用できるよう制度を整えたり、安全な肥料のみの市場流通を許可したりしています。
汚泥由来肥料の登録は、肥料取締法に基づいて農林水産消費安全技術センター(FAMIC)が行っています。登録を行うプロセスは、「事前相談→必要試験・書類準備→申請→審査→登録証交付」という流れが基本となります。
実務においてはまずは事前相談を行う必要があります。汚泥肥料の登録を行う場合には、相談時に「生産工程の概要及び原材料が正確に把握できるもの」「原料汚泥の内容が把握できるもの」「原料汚泥の溶出試験」に関する資料を用意する必要があります。そして、事前相談終了後に申請書や製造設計書、試験報告書、登記簿謄本などの必要書類を添付して登録申請を行います。
想定されるスケジュールは申請する内容や事前相談の状況によって変動することから、余裕を持った準備・申請が必要となります。
A.汚泥肥料は、肥料取締法によって厳しく規制が行われています。有害な重金属については、最大許容量が定められており、この基準値を超えた製品は流通できないことになっています。
A.適切な施用量であれば、作物生育に良い影響が期待できます。施用にあたっては製品の保証成分量と農地の土壌診断結果に基づいて、地域の営農指導機関と相談して決定します。汚泥肥料は特にりん酸を多く含んでおり、過剰に用いることによっての成分バランスの偏りには注意が必要です。
コンポスト化や高温乾燥など、適切な肥料化工程を経ることによって、臭気が抑制されます。また、施用時に土壌に対して肥料を速やかに混ぜることによる周囲への拡散防止が推奨されています。
メリットの多い汚泥肥料ですが、その名前からネガティブなイメージを持つ人が多いようです。また、汚泥に含まれる重金属などの影響を心配する人も少なくありません。
農林水産省では、汚泥肥料のイメージ改善、認知度の向上を図るために、汚泥肥料を使っている農家で事例を収集。HPで公開したり、栽培技術の紹介リーフレットを農家・自治体向けに作成したりしています。また、肥料生産業者向けには、登録に向けて取り組みやすい簡易マニュアルを提供しています。
汚泥肥料の普及・利用促進に向けて、農林水産省や国土交通省ではさまざまな資料を用意しています。
例えば、農林水産省で提供している「汚泥肥料に関する基礎知識(一般向け)」は、汚泥肥料の基本知識や有害成分の規制値などを掲載しており、住民や農家の安全性への懸念払拭のためにも使用できます。また、国土交通省では、公園や緑地などにおける下水汚泥肥料の活用に向けたパンフレットを提供。パンフレットの内容は「下水汚泥について」「下水汚泥の特徴・安全性」」などとなっており、汚泥肥料の活用事例も紹介しており、利用拡大を目指せます。
汚泥肥料の活用を促進するため、さまざまな支援事業や補助金制度を実施しています。例えば、「みどりの食料システム戦略緊急対策」は化学肥料の使用量削減、化学農薬の使用リスク削減、有機農業の普及、温室効果ガス排出量削減などを目指し、技術の導入支援や技術開発・実証実験の助成などを行う施策です。
また「国内肥料資源利用拡大対策」では、肥料の原料供給者や製造事業者などが連携して行う「農家が使いやすい肥料」作りを支援。汚泥肥料の利用拡大を促進しています。
農林水産省では、肥料原料の国産化と安定供給を進めるため、「国内肥料資源利用拡大対策」による支援を行っています。この制度は、家畜排せつ物や食品残さなどの国内資源由来の肥料の利用を促進するために、肥料の原料供給者・製造事業者・利用者それぞれに対して、段階的な支援メニューを用意しているのが特徴です。
肥料原料供給者への支援
畜産業者や堆肥製造事業者、食品残さの供給者などに対しては、以下のような支援が行われます。こういった支援を行うことで、農家や製造事業者が扱いやすい肥料原料の安定供給体制の構築を目指しています。
肥料製造事業者への支援
肥料の品質確保等に関する法律に基づき登録・届出を行っている製造業者には、以下のような支援があります。目指すのは、農業現場で使いやすい高品質な国内資源由来肥料の安定供給を実現です。
肥料利用者への支援
農業団体や民間企業、地方自治体などの肥料利用者に対しては、以下のような支援が提供されます。
農林水産省では、安全性確保のための基準策定や、汚泥肥料のイメージ改善、支援事業・補助金制度の整備など、汚泥肥料の普及に向けた取り組みを進めています。例えば、「みどりの食料システム戦略緊急対策」では、化学肥料の使用量削減や有機農業の普及を支援。「国内肥料資源利用拡大対策」では、農家が使いやすい肥料作りを後押しする制度を設けています。
こうした取り組みの中で、近年汚泥肥料の活用が急速に広がっており、資源循環型農業の新たな選択肢として注目されています。本メディアでは、B-DASHプロジェクトにも採用されている中部エコテック株式会社の監修のもと、汚泥肥料の技術や実際の活用事例について詳しく解説しています。持続可能な農業の実現に向け、汚泥肥料を活用する一歩を踏み出してみませんか?
中部エコテック株式会社は、循環型社会の実現を目指す環境ソリューションを提供する企業。汚泥の肥料化やエネルギー化技術をはじめ、有機性廃棄物・産業廃棄物を有効活用に関するサービスを提供しています。高度な技術力と豊富な実績を基に、国土交通省の「B-DASHプロジェクト」に参画し、自治体や地域社会と連携し、持続可能な未来づくりを支援しています。開発したコンポの納入実績は4,000台以上(2024年12月時点)にのぼります。