汚泥の肥料化とは?

※当メディアは中部エコテック株式会社をスポンサーとして、Zenken株式会社が運営しています。

汚泥の肥料化のことがよく分かるメディア│Rebodei(リボデイ) » 汚泥の肥料化とは?

汚泥肥料とは、下水処理の過程で生成された下水汚泥を利用した肥料のことです。下水汚泥を活用することで、さまざまなメリットが得られます。ここでは、汚泥肥料について知っておきたい基礎知識をご紹介します。

下水汚泥と汚泥の肥料化とは?

下水汚泥とは、下水処理を行う際に生じる汚泥のことです。家庭や工場から排出された汚水は、下水処理場で微生物を使って処理され、きれいな水となって川などに流されます。この時、活躍した微生物が沈殿したのが下水汚泥です。

汚泥の肥料化とは、この汚泥を肥料として活用すること。下水汚泥にはリンや窒素など、植物の成長をサポートする栄養分や微生物を豊富に含んでいます。このため肥料として使用することで、土壌の中の病原菌を抑制したり、病害を防いだりすることが可能。また、土壌の通気性や保水性向上や、重粘土の改良効果なども得ることができます。

これまで汚泥は産業廃棄物として処理が行われてきましたが、この汚泥を適切に処理・再利用することによって、持続可能な資源活用につながります。このような環境問題に加え、肥料の高騰化といった背景から、現在は汚泥の肥料化技術について注目されるようになりました。国土交通省でも下水汚泥について肥料としての利用を拡大する方針を打ち出しており、自治体や企業においてもさまざまな取り組みが行われています。

汚泥肥料の安全基準と法規制の具体的数値

重金属に関する安全基準値

汚泥肥料は窒素やリン酸など植物に有益な栄養分を多く含んでいるものの、肥料の製造工程によりカドミウムや水銀など排水に含まれていた有害な重金属が濃縮され、高濃度になっている可能性もあります。この点から、農林水産省では汚泥肥料中の重金属の基準を設定し、下記の基準値を超える濃度の有害重金属を含んだ製品の生産や販売を規制しています。また、肥料の製造者においては基準に従い適切な管理を行うことを義務付けられています。

有害成分の種類 肥料中の有害成分の規制値
(乾燥状態)
ひ素 50mg/kg
カドミウム 5mg/kg
水銀 2mg/kg
ニッケル 300mg/kg
クロム 500mg/kg
100mg/kg

汚泥肥料の品質検査と安全管理の方法

汚泥肥料の品質管理においては、農林水産省により「汚泥肥料中の重金属管理手引書」が提供されています。こちらの手引書には、汚泥肥料中の重金属について適正な管理を行っていくための内容が記載されています。この手引書に沿って生産業者が自主的な管理を行っていくことによって、汚泥肥料中の重金属の管理が可能となります。

また農林水産消費安全技術センター(FAMIC)では、この手順書を普及するため、立入検査時における説明や講習会等を行うことに加えて、生産業者が品質管理を簡単に始められるよう、記録様式や品質管理の説明資料をまとめた「自主管理セット」を作成しています。自主管理セットは、同センターの公式HPより利用できます。

参照元:農林水産消費安全技術センター(FAMIC)|汚泥肥料の品質管理
(http://www.famic.go.jp/ffis/fert/sub1_1.html)

汚泥肥料化のメリットデメリット

汚泥肥料化のメリット

これまで廃棄物として処理されてきた汚泥を、有効活用できる点が大きなメリットです。汚泥には窒素やリン、カリウムなど植物には必要不可欠となる栄養素が豊富に含まれています。

さらに、汚泥肥料が持つ有機物成分によって土壌改良効果も期待できます。大量の微生物を含むことから有機物の分解や発酵を促すことによって、土壌の生物活性を高めると考えられています。さらに、土壌の水はけや通気性も向上させることによって根が伸びるのを促すこともでき、より植物が生育しやすい環境を作ることができるといえます。

汚泥肥料化のデメリット

汚泥肥料は、前述の通り重金属や有害物質が混入する可能性がある点がデメリットとして挙げられます。例えば鉛やカドミウム、水銀などが含まれることがありますが、これらの物質が多く含まれている汚泥肥料を使用した場合、土壌に蓄積してしまい作物に吸収される可能性も考えられます。このことから、作物から人間・動物に有害物質が移行する危険性が指摘されています。また、これらの重金属や有害物質が雨や風によって広範囲に飛散する可能性も考えられています。

このような点から、汚泥肥料は十分に品質検査を行うことによって適切な管理を行っていく必要があります。

下水汚泥から回収できる成分

下水汚泥には、「リン」「窒素」「カリウム」など、肥料として価値のある成分が含まれています。ここで押さえたいのは、汚泥をそのまま肥料に近い形へ整える考え方と、成分を取り出して原料として使う考え方がある点です。たとえば、汚泥を発酵させて堆肥化する場合は、含水率や発酵条件で扱いやすさが変わります。一方でリン回収では、処理工程の中でリンを回収し、製品としての品質を整える視点が必要になります。どちらが合うかは、処理方式や汚泥の性状、供給先の求める品質で変わるため、まずは回収したい成分と用途を結びつけて整理することが近道です。

  • 成分回収の対象 リン中心で考えるか、窒素やカリウムも含めるかで設計が変わります
  • 利用先のイメージ 農地還元なのか原料供給なのかで必要な品質が異なります
  • 処理方式との相性 既存設備の運転条件が回収のしやすさに影響する場合があります

下水汚泥を肥料化するメリット

下水汚泥を肥料として活用するメリットは、処分中心だった流れを資源循環へ寄せられる点にあります。期待される効果として、「環境への負担軽減」「輸入コストや処分コストの見直し」「土づくりへの寄与」などが挙げられます。とくに肥料原料を海外に頼る割合が高い状況では、供給や価格の変動が現場の負担になりやすく、地域内で循環できる選択肢があること自体が安心材料になります。一方で、肥料化には設備や運転管理、品質検査、表示や流通面の対応が必要です。導入後に慌てないためにも、メリットとあわせて運用の要点を把握しておくと、情報が比較検討に役立ちます。

汚泥肥料の安全性

汚泥肥料の検討で多い不安は、使い続けたときに土や作物へ影響しないかという点です。そのため、安全性は感覚ではなく、基準に基づく検査と製造工程での管理を前提に判断するのが現実的です。製造側では、原料の受入れ確認や工程条件の管理、製品の成分検査などを組み合わせて、流通段階でのリスクを小さくする取り組みが行われます。利用者側も、成分表や検査結果の有無を確認し、用途や作物に応じた施用量の考え方を押さえておくと安心につながります。下部ページでは、安全性の基準や確認の視点を整理しているので、導入判断の土台づくりとして役立ちます。

注目ポイント
検査の有無 重金属などの検査項目と結果が確認できるかを見ます
工程の管理方法 発酵や乾燥などの管理がどのように行われているかを把握します
施用の考え方 作物や土壌に応じた使い方の目安が示されているかを確認します

汚泥肥料に含まれる有害成分は

汚泥肥料には、ヒ素や水銀、ニッケル、鉛などの重金属が含まれる可能性があります。基準を超える製品は流通できないよう整理されているものの、原料となる汚泥の性状や製造工程の管理で含有傾向が変わることもあります。だからこそ、購入や施用の前に、成分表や検査結果の有無を確認し、自分の用途に合うかを判断することが大切です。特定の作物や土壌条件では、継続使用の影響を気にする方も多いため、使い方の目安とあわせて情報を押さえておくと安心材料になります。下部ページでは、有害成分の種類や基準の考え方を整理しているので、迷ったときの確認先として活用できます。

  • 気になりやすい点 重金属は土壌に蓄積するおそれがあるため継続使用を前提に考えます
  • 確認の基本 成分表や検査結果の有無を確認し用途に合う製品を選びます
  • 判断が分かれやすい点 原料や製造工程が違うと性状が変わる場合があります

汚泥の肥料化に対する支援・補助金

汚泥の肥料化には、設備や運用体制づくりが必要になるため、支援制度の活用を前提に計画を立てるケースもあります。代表例として、「下水汚泥肥料化推進事業」「みどり投資促進税制」「農村整備事業(農業集落排水汚泥農地還元推進事業)」などがあり、制度ごとに対象者や要件、補助対象経費、申請時期が異なります。導入計画が固まってから探すと間に合わないこともあるため、初期段階で使えそうな制度を洗い出し、要件に合うかを確認しておくのがおすすめです。制度の全体像や整理の仕方をまとめているので、調べ始める入口として役立ちます。

  • 対象になりやすい費用 設備費だけでなく調査や実証が含まれる場合があります
  • 要件の確認 処理量や管理体制など求められる条件を先に整理します
  • 申請のタイミング 公募期間が限られることがあるため準備期間も見込みます

汚泥が肥料になるまでのプロセス

汚泥が肥料として流通するまでには、受入れから脱水、水分調整、発酵や乾燥、製品化まで複数の工程があります。工程が増えるほど管理項目も増えるため、検討段階では「どこで品質が決まるのか」を押さえておくと理解が進みます。とくに臭気対策や衛生面、品質確認は、導入後の運用で課題になりやすいポイントです。現場取材の流れに沿って工程を紹介しているので、設備選定や運転管理のイメージをつかみたい方に向いています。

下水汚泥資源の肥料利用の拡大の背景

肥料原料の多くを輸入に頼る状況では、国際情勢や物流の影響で供給や価格が変動しやすく、現場では先行きの読みづらさが課題になります。こうした背景から、下水汚泥に含まれるリンや窒素などの資源を国内で循環させる考え方が注目されています。汚泥は発生が継続的で、回収や肥料化の体制が整えば、一定の供給を見込みやすい点が特徴です。一方で、利用拡大には品質の安定や受け入れ先の確保、運搬や保管の考え方など、現場の設計も欠かせません。なぜ今このテーマが進んでいるのかを背景から整理しています。

活性汚泥法とは

活性汚泥法は、下水処理で広く用いられている方法のひとつで、微生物の働きを利用して水中の汚れを分解します。曝気で酸素を送り、沈殿で汚泥を分離し、処理の安定を保つために返送汚泥や余剰汚泥を管理する流れが基本です。ここを理解すると、汚泥の発生量や性状が運転条件で変わる理由がつかみやすくなり、肥料化を検討するときの前提が整います。処理の仕組みとポイントを整理しているので、基礎から確認したい方に向いています。

  • どこで汚泥が増えるか 微生物が増える工程で余剰汚泥が発生します
  • 管理が必要な理由 運転条件で処理の安定性や汚泥性状が変わる場合があります
  • 肥料化とのつながり 性状の違いが脱水や後工程の扱いやすさに影響します

廃棄物の汚泥について

汚泥は下水処理だけでなく、工場や建設現場などさまざまな場所で発生し、由来や性状によって扱いが変わります。産業廃棄物として管理が必要なケースでは、分類や委託、保管や運搬など、手続き面の確認も欠かせません。とくに含水率や混入物、有害成分の有無は、処理方法や再資源化の可否に影響します。廃棄物としての汚泥の考え方や注意点を整理しているので、自社の汚泥がどの枠組みに当てはまるかを確認したい方に役立ちます。

Sponsored by
メディア監修
中部エコテック株式会社

中部エコテック株式会社は、循環型社会の実現を目指す環境ソリューションを提供する企業。汚泥の肥料化やエネルギー化技術をはじめ、有機性廃棄物・産業廃棄物を有効活用に関するサービスを提供しています。高度な技術力と豊富な実績を基に、国土交通省の「B-DASHプロジェクト」に参画し、自治体や地域社会と連携し、持続可能な未来づくりを支援しています。開発したコンポの納入実績は4,000台以上(2024年12月時点)にのぼります。

メディア監修 中部エコテック株式会社