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汚泥肥料に含まれる有害成分は

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注目を集める汚泥肥料ですが、重金属や化学物質などの有害成分を含んでいる可能性があります。ここでは、汚泥肥料に含まれる有害成分と、人体へのリスクについて解説します。

汚泥肥料に含まれる重金属の種類と特徴

汚泥肥料に含まれる主な重金属と特徴は以下の通りです。

  • ひ素:防腐処理剤の原料、半導体の原料として利用されている
  • カドミウム:土壌や水などに広く存在する重金属。土壌に蓄積されやすい
  • 水銀:金や銀と同じ金属の仲間。蛍光ランプや一部の電池などに使用されている
  • ニッケル:耐食性や耐熱性、加工性に優れており、硬貨や電池、ステンレスなどに使用されている
  • クロム:メッキ処理やステンレス鋼などに使用される、工業分野で重要な素材
  • 鉛:加工しやすくサビに強いため、水道管や蓄電池などに多く使用されている

これらの重金属は毒性があるため、多く摂取することで健康被害をもたらす可能性があります。当然、重金属を含む肥料を使ってしまうと、土壌に蓄積、作物に吸収される可能性があるので要注意。作物を食べた人間や動物への健康被害だけでなく、土壌や土壌生物への悪影響も懸念されています。

種類別のリスク傾向(カドミウム・水銀は要注意)

汚泥肥料に含まれる重金属は、原料(下水・し尿・産業副産物など)や処理工程によってばらつきが出ます。行政の集計や調査では、カドミウム(Cd)や水銀(Hg)が許容値の近傍まで上がる事例が相対的に多い種類があることも示唆されています。製品ごとの「原料の出どころ」と「季節変動」を把握し、分析頻度や管理幅を適切に設定することが再発防止に有効です。

  • 原料の変更時は追加分析を実施
  • 季節・ロットの変動幅を記録し、閾値の安全余裕を確保
  • 汚泥肥料の安全基準

    このため農林水産省では、汚泥肥料等中の有害重金属の基準を設定しています。基準値を超える濃度の有害重金属を含む製品は、販売や流通をすることができません。主な成分と規制値は以下の通りです(単位はmg/kg以下)。

    • ひ素:50
    • カドミウム:5
    • 水銀:2
    • ニッケル:300
    • クロム:500
    • 鉛:100

    ちなみに、汚泥の肥料化は海外でも積極的に行われています。フランスやスペイン、チェコやノルウェーでは、排出される下水汚泥のほとんどを農地利用や堆肥利用しています(*1)。カドミウム限定ですが、各国の基準値は以下の通りです(*2)。

    • EU:20〜40
    • カナダ:20
    • 韓国:5
    • 日本:5

    重金属の測定方法と検査フロー

    代表的な測定方法

    • ICP-MS
      高感度の多元素分析技術であり、複数の重金属を一度に測定できます。微量の元素を検出・分析するのに適しており、多彩な分野で使用されている方法です。ICP-MSの測定溶液中の定量下限はpptレベルですが、もとの固体中試料中の元素濃度に換算した場合0.01~0.1ppm(µg/g)レベルです。
    • 蛍光X線分析(XRF)
      測定サンプルにX線を照射後に発生する固有のX線を測定し、構成されている元素の同定(組成分析)を行います。非破壊で測定時間が短い点、前処理なしで分析可能な点が特徴といえます。また、個体・液体・粉体いずれも測定が可能で大気中での測定にも対応。検出下限は分析条件や材質、元素の種類によって異なります。

    サンプリング計画

    汚泥肥料の重金属濃度を管理するため、サンプリング計画書の作成を行います。計画書の構成内容は、下記のようなものが挙げられます。

    • 品質管理責任者の設置
    • 検査対象ロットの定義
    • 検査対象とする重金属、検査回数の決定
    • サンプリング要領の規定
    • 自主管理基準値の設定
    • 不適合時の対応
    • 検査計画の見直し

    サンプリング計画書の作成方法がわからない場合には、「独立行政法人農林水産消費安全技術センター(FAMIC)」のHPに汚泥肥料のサンプリング計画書の様式が用意されていますので、参考にすることがおすすめです。

    検査フロー

    検査を実施する際のフローは下記の通りとなります。

    1. 試料採取:計画に基づいて適切に採取を行う
    2. 前処理:必要に応じて乾燥、粉砕、溶解などの処理
    3. 分析機器による測定:ICP-MSや蛍光X線分析にて測定
    4. 結果解析・評価:得られたデータを許容基準や規制値と照合し判定
    5. 報告書作成:重金属濃度、検出限界、検査日、分析法、サンプリング情報を含む詳細な報告書を作成

    誰が実施すべきか

    事業場ごとに品質管理責任者・担当者を明確にしておくことが大切です。管理者の設定によって、重金属の適切な検査につながるとともに不適合発生時においても迅速に対応可能となります。また責任者は検査記録の作成を行って保存する役割も持ちます。

    いつ・どの頻度で実施すべきか

    汚泥肥料中の重金属濃度は、原料の異なるロット・季節による汚泥の性状によって変化することが想定されます。この点から、生産した汚泥肥料製品中における重金属濃度がどのようなロット間変動をするのか把握し、年間の変動と含有する重金属の種類ごとの検査時期・回数の設定が必要です。

    さらに生産工程・使用原料の大幅な変更があり、汚泥肥料製品中の重金属濃度の変化が予想される場合、再度調査を実施した上で、検査結果・回数の設定を行います。

    Rebodei編集チームより
    汚泥肥料に含まれる重金属と安全基準

    汚泥肥料には、ひ素・カドミウム・水銀・ニッケル・クロム・鉛といった重金属が含まれる可能性があります。これらは土壌に蓄積し、作物を通じて人や動物に影響を及ぼすため、安全管理が重要です。

    そのため、農林水産省では有害重金属の基準を設け、基準値を超える製品の販売や流通を禁止しています。日本のカドミウム基準値(5mg/kg以下)は、EUやカナダと比較しても厳格で、国際的な安全基準のもとで管理されています。

    本記事では、汚泥肥料の重金属とその安全基準について解説しましたが、汚泥肥料については中部エコテック株式会社の監修のもと解説しています。汚泥肥料の活用や安全性に関心のある方は、ぜひ参考にしてください。

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    メディア監修
    中部エコテック株式会社

    中部エコテック株式会社は、循環型社会の実現を目指す環境ソリューションを提供する企業。汚泥の肥料化やエネルギー化技術をはじめ、有機性廃棄物・産業廃棄物を有効活用に関するサービスを提供しています。高度な技術力と豊富な実績を基に、国土交通省の「B-DASHプロジェクト」に参画し、自治体や地域社会と連携し、持続可能な未来づくりを支援しています。開発したコンポの納入実績は4,000台以上(2024年12月時点)にのぼります。

    メディア監修 中部エコテック株式会社