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汚泥発酵装置を開発・製造している中部エコテックのコンポを導入した、再創社の代表取締役である西山 孝三氏にインタビュー。導入の背景から導入前の課題、導入の効果について聞いています。

「再創社」が導入した中部エコテックの汚泥発酵装置。
編集(以下:編):本日はお時間をいただきありがとうございます。まず、汚泥発酵装置の導入に至った背景について教えてください。
西山 孝三氏(以下:西山):もともと、このみなべ町では汚泥は焼却処分されていました。しかし、平成26年3月に焼却炉が廃止され、それ以降は遠方の処理施設へ運搬することになりました。当然、運搬コストがかかるため、みなべ町から「地元で処理できないか」との相談を受けたのが始まりです。
当初は、大規模な施設を作らなければ採算ベースに乗らないのではないかという懸念がありました。しかし、京都府福知山市にある小規模な処理施設を視察し、「この規模ならみなべ町でも実現できるのではないか」と考え、具体的な計画を進めることになりました。
編:導入にあたって、どのような課題がありましたか。
西山:まず、機械の選定が課題でした。条件としては「密閉式であること」「微生物発酵を利用すること」の2点を重視しました。
編:密閉式、微生物発酵装置を重視した理由を教えてください。
西山:密閉式であることの理由は、効率的な脱臭対策が可能になるためです。微生物発酵を利用する理由は、安定した製品を作ることができるためです。
この条件で複数の候補を検討し、最終的に処理能力とコスト面で優れた中部エコテックの装置を導入することに決めました。
編:どれぐらい差があったのでしょうか。
西山:中部エコテックの装置は、他社の倍以上の処理能力がありながら、コストも半分程度で済むというメリットがありました。また、縦型の密閉式であるため、設置面積を抑えられる点も決め手の一つでした。
編:その差は大きいですね。そこから導入までのプロセスはスムーズに?
西山:実はかなりの時間がかかりました。まず、場所の選定が難航しました。場所が決まったあとも、県との事前協議に11か月を要しました。特に「一般的には1ヶ月かかると言われているのに、なぜ8日間で発酵が完了するのか」という点についての説明を県に納得してもらうのに苦労しました。
編:そんなに早くできるわけがないと。
西山:そうなんです。最終的には中部エコテックのご担当者に同席をいただいて、計算書と参考文献を持ってきていただいてご説明をしていただき、ご納得いただけました。
編:それが一番早いですね。
西山:事前協議が終わってからは工事を進め、全体としては事前協議から含めて2年半から3年ほどかかりました。
編:それはなかなか骨が折れましたね。実際に稼働を始めてからの効果はどのようなものでしたか。
西山:令和2年4月に許可が下り、1か月間試運転を行いました。みなべ町としても、リサイクル施設へ遠方に運搬するコストが削減できるというメリットがあり、スムーズに切り替えてもらえました。

「再創社」代表の西山氏
編:そこから肥料の販売となるわけですが。
西山:販売面では、当初は無償提供し、農家に試してもらいました。その結果、製品の品質に対する評価が高く、翌年から有償での販売を開始しました。
当初は知名度不足で販売に苦戦しましたが、地元紙への広告掲載を始めると徐々に注文が増加し、現在では予約が1年先まで埋まるほどの状況です。
編:それはすごい。反応いかがでしたか。
西山:そうですね。成分的に言うと鶏糞とよく似た成分比率なので、鶏糞を使用している農家さんは早く切り替えてもらった印象です。
編:導入して良かったと感じるポイントはどこでしょう?
西山:まず、発酵期間が短いという点です。通常の開放型施設では1か月から1か月半かかるところ、密閉式発酵により2週間程度で製品化できています。
また、臭気対策も十分に機能しています。導入直後は半年ほど匂いの問題がありましたが、原因を特定し改善することで、現在ではほぼゼロに抑えられています。
さらに、製品の品質も安定しており、農家からの評価が高いことも導入の成果の一つです。特にペレット化したことで扱いやすくなり、農家の抵抗感を減らせた点も大きなメリットです。
編:現在残っている課題について教えてください。
西山:現在、発酵装置は2台あるので、処理能力に問題はありません。しかし、ローダーやフォークリフトの予備がなく、故障すると作業が止まってしまうというリスクがあります。
また、今後さらに生産量を増やしていくためには、販路の拡大も課題となります。現状はリピーターがほとんどですが、新規顧客を開拓する余地もあります。
編:その装置を使用するにあたり専門的な知識は必要でしょうか。
西山:最初に1週間ほど研修に行って、あとは分からないことは中部エコテックの担当者に連絡程度で問題ないです。メンテナンスに関しても、特別な技術が必要なわけではありません。
編:今後の展望について教えてください。
西山:現在は汚泥のみを処理していますが、今後は生ごみ由来の原料も活用していきたいと考えています。そのために、「ディスポーザー」の普及を推進しています。ディスポーザーを導入すると、家庭の生ごみは粉砕・液状化されて下水処理場に流れ込みます。生ごみの成分が入った水から汚泥が生成され、その汚泥を発酵・肥料化する為に、より栄養価の高い肥料が作れるようになります。
編:なぜディスポーザーの普及が必要なのでしょうか。
西山:和歌山県ではディスポーザーの使用が制限されており、行政の理解を得る必要があります。
編:そうなんですね。
西山:ディスポーザーの使用は今後の話なのですが、現在弊社にて生産している下水汚泥肥料を使用した実証試験を、和歌山県の農業研究所と連携して進めています。1年目の結果では特に問題はなく、今後もデータを蓄積することで農家への信頼を高めていきたいと考えています。
編:ありがとうございました。今後の展開が楽しみですね。
西山:こちらこそありがとうございました。
今回の取材を通じて、汚泥を資源として活用する取り組みの重要性が見えてきました。従来の焼却処分から脱却し、地元での肥料化を実現することで、コスト削減と環境負荷低減の両立を実現。
短期間での発酵技術や臭気対策の工夫により、近隣の方や農家にも高く評価されるなど、技術革新と地域の連携が生み出す新たな可能性に、今後も注目していきます。
中部エコテック株式会社は、循環型社会の実現を目指す環境ソリューションを提供する企業。汚泥の肥料化やエネルギー化技術をはじめ、有機性廃棄物・産業廃棄物を有効活用に関するサービスを提供しています。高度な技術力と豊富な実績を基に、国土交通省の「B-DASHプロジェクト」に参画し、自治体や地域社会と連携し、持続可能な未来づくりを支援しています。開発したコンポの納入実績は4,000台以上(2024年12月時点)にのぼります。