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汚泥肥料の安全性

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注目を集める汚泥肥料ですが、一方で人体に悪影響を及ぼす重金属や化学物質を含んでいる可能性があります。このため国や自治体では、さまざまな基準を設け、検査・管理を行って安全性を確保しています。ここでは、汚泥肥料の安全性について解説します。

汚泥肥料の役割と重要性

毎年大量に発生する下水汚泥。その多くが利用されることなく焼却や埋め立てなどによって処分されているのをご存知でしょうか。しかし近年技術が開発され、再利用可能な肥料に変換できるようになりました。

下水汚泥には、化学肥料の重要な原料であるリン、窒素などを豊富に含んでいます。このため汚泥肥料を活用することは、廃棄物のリサイクルと資源の有効利用につながります。

汚泥肥料の製造プロセス

汚泥肥料を製造するプロセスは、一般的に以下の通りです。

  1. 下水処理場や工場から排出される汚泥を回収する
  2. 脱水処理を行い、余分な水分を取り除く
  3. 汚泥を適切な温度で発酵させる
  4. 汚泥を乾燥させる
  5. 汚泥を粉砕する
  6. 篩(ふる)い分けを行い、適度な大きさに調整する
  7. 品質検査を行い、安全性を確認する

安全確保を重視したプロセス

下水汚泥肥料としてはさまざまな形態で活用が行われています。例えば汚泥コンポストにおいては、前調整として脱水汚泥に対してもみがら等の副資材を添加することによって、下水汚泥を発酵しやすいように調整していきます。

その後。発酵を1〜3ヶ月間行いますが、ここでは汚泥原料に空気(酸素)を与えつつ微生物の働きを活発にすることで、有機物の分解を行います。ここでは、発酵熱によって有害な微生物や寄生虫、種子等が死滅・不活性化します。また、発酵が行われることによって特有の臭気が減少するといったメリットもあります。

発酵が終了したら、造粒化や袋詰めなどを行い、製品化されます。

品質検査とトレーサビリティ

汚泥肥料の生産業者においては、生産する製品について全て重金属の許容値を下回ることが求められます。しかし、全ての製品について検査を行っていくことは難しいため、汚泥肥料の原料の管理から生産工程中における重機属の濃度を十分に管理することが必要といえます。

また、透明性(トレーサビリティ)を高めるという点も非常に重要となっています。例えば、欧州などではどの下水処理場で集め、どのような方法を用いてコンポストにしているか、といった情報まで公表されています。

安全性確保のための基準と規制

汚泥肥料には、植物に有益な栄養分が豊富に含まれる一方、カドミウムや水銀などの有害な重金属が含まれる可能性があります。このため製品化する際は、きちんと有効性や安全性を確認しなくてはなりません。

農林水産省では、汚泥肥料等中の有害重金属の基準を設定しています。主な成分と規制値は以下の通りとなっていますので、あらためてご確認くだささい(単位はmg/kg以下)。

  • ひ素 :50
  • カドミウム:5
  • 水銀 :2
  • ニッケル:300
  • クロム:500
  • 鉛:100

基準値以上の有害重金属を含む製品は、販売や流通をすることができません。

行政による監視と検査の実施

汚泥肥料の安全性を確保するためには、肥料そのものだけでなく、原料となる下水汚泥の品質を確認することが大切です。このため日本では、国や地方自治体が連携して、定期的に監視・検査を行っています。例えば、下水処理場では排水の水質検査、重金属・有害物質の含有量測定などを行うとともに、処理後に汚泥がどのように処分されたか、記録・管理しています。

特に、工場排水の監視は厳格です。工場排水に含まれる重金属・化学物質などを監視・測定。排水基準を超えた場合は、排水停止命令や罰則適用などを行っています。

重金属含有の規制基準

汚泥肥料は、窒素やリン酸など植物に有益な栄養分が多く組まれていますが、排水に含まれる有害な重金属(水銀やカドミウムなど)が汚泥による処理などによって濃縮することで高濃度になる可能性が考えられます。この点から、汚泥肥料については、下記のように有害な重金属に対して規制が定められています。

有害成分の種類 肥料中の有害成分の規制値
(乾燥状態,mg/kg)
ひ素 50
カドミウム 5
水銀 2
ニッケル 300
クロム 500
100

国・自治体による立入検査の実態

汚泥肥料の利用にあたっては、製品に含まれている重金属が上記の通り基準値を超えていない、また植物への害が認められないなど、公定規格に適合したもののみ登録が行われ、流通が認められています。さらに流通後についても肥料の生産業者に対して立入検査を実施しています。実際の検査では、重金属の含有量や帳簿などを検査することにより、公定規格に適合した肥料の生産が行われているかを確認します。

もし違反が認められた場合には、生産業者に対して自主回収や原因究明、再発防止について指導が行われます。

Rebodei編集チームより
汚泥肥料の安全性を確保しながら
循環型社会を目指しましょう

汚泥肥料は資源の有効活用につながる一方、重金属や化学物質を含む可能性があるため、安全管理が不可欠です。そのため、農林水産省が厳格な基準を設け、基準値を超えるものは市場に出回らないよう規制されています。また、下水処理場や工場排水の監視も徹底され、行政による定期的な検査が行われています。

本記事では、汚泥肥料の安全性確保の仕組みを紹介しましたが、より詳しい技術や管理体制については、中部エコテック株式会社の監修のもと解説しています。汚泥肥料の活用や安全管理に関心のある方は、ぜひ参考にしてください。

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メディア監修
中部エコテック株式会社

中部エコテック株式会社は、循環型社会の実現を目指す環境ソリューションを提供する企業。汚泥の肥料化やエネルギー化技術をはじめ、有機性廃棄物・産業廃棄物を有効活用に関するサービスを提供しています。高度な技術力と豊富な実績を基に、国土交通省の「B-DASHプロジェクト」に参画し、自治体や地域社会と連携し、持続可能な未来づくりを支援しています。開発したコンポの納入実績は4,000台以上(2024年12月時点)にのぼります。

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