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汚泥がどのような流れで肥料へと生まれ変わるのか、その実態を探るため、中部エコテックのコンポ装置を導入している企業に取材に行ってきました。
訪れたのは和歌山県みなべ町にある株式会社再創社 みなべコンポストセンター。南紀白浜空港から車で約30分の場所に位置しています。
施設内に入ると、汚泥特有の臭いを感じましたが、マスクが必須になるほどではなく、外部に臭気が漏れていないことが分かります。

施設に入ると、まず目に飛び込んでくるのは2台の大きな発酵装置。ここで汚泥が肥料へと生まれ変わります。


まず、原料ピットに運ばれた汚泥が、発酵装置へ投入されます。装置にはショベルのような機構が備わっており、汚泥を掬い取って装置の上部から投入します。

投入された汚泥は、装置内で発酵され、水分が徐々に抜けていきます。発酵後の汚泥はサラサラの粉末状になり、一部は再び装置に投入されます。これは、水分調整のためで、汚泥の発酵をよりスムーズに行うための工夫です。


発酵を終えた汚泥は、造粒機でペレット状に加工されます。地元の方々から「肥料にするならペレット状が良い」との意見を受け、この形状を採用したとのことです。最後に、ペレット状の肥料は袋詰めされ、出荷の準備が完了します。
今回の取材を通して汚泥の臭いを外部に漏らさないために徹底した臭気対策が施されていると感じました。そのシステムも紹介していきます。

現地に到着後、担当者の方から「臭いますか?」と尋ねられましたが、正直、ほとんど感じませんでした。施設に隣接する駐車場が一番臭いを感じやすい場所だそうですが、それでもわずかに匂う程度。臭気対策がしっかり行われていることがうかがえます。

送風機が施設の上部に設置されており、室内の臭いを特定の排気口に集約されます。


施設内部の臭気および発酵装置の臭気は施設外部に設置されている水洗式スクラバーを通り軽石脱臭装置へと送り込まれ、アンモニアを除去します。

最後に大気チャンバーシステム臭気は上空30メートルまで吹き上げられ、地上に戻るまでに数百分の1まで希釈されます。
この一連のシステムにより、施設外への臭気漏れを最小限に抑えています。
汚泥を製品化する場合には、まず脱水汚泥にもみ殻などの副資材を添加することにより、汚泥を発酵しやすいように調整します。その後、汚泥原料に空気(酸素)を与えつつ微生物の動きを活発にして有機物を分解します。この発酵の期間は1〜3ヶ月要します。汚泥を発酵させることにより、発酵熱で有害な微生物や寄生虫、種子等が死滅・不活性化するとともに、汚泥特有の臭気が減少するといった効果もあります。
その後、発酵させた汚泥を製品化します。この時、造粒化や袋詰めの加工などを行い、貯蔵や運搬などにおける取り扱い性を向上させる点がポイントとなります。
これまで産業廃棄物として処分されていた汚泥を肥料化することによって、焼却処分により排出されていた二酸化炭素を削減でき、環境負荷を減らせます。また、下水汚泥からは肥料に欠かせない成分であるリンを回収できるため、輸入に頼らずにリンを確保できる点も大きなメリットといえます。
ただし、汚泥を肥料化するためには設備の導入にコストがかかる点や、安定した成分を得るのが難しい点、さらに有害物質が汚泥に混入しているケースもあり、肥料化する場合には主成分や有害成分の分析を行った上で、基準を下回るように対応していく必要がある点が課題として挙げられます。
上記でもご紹介した通り、汚泥を産業廃棄物として焼却処分することがなくなるため、二酸化炭素の排出を抑えられます。さらに埋め立てに使用する用地を減らせることも、環境負荷の軽減につながります。
また、汚泥肥料の使用によって土壌を改善する効果も期待できるとされています。汚泥肥料は有機物やミネラルなどが豊富に含まれているため土壌の保水性などを改善し、微生物の働きを活発にします。この点から、土壌の改良効果が期待できると考えられています。
施設内には巨大な発酵装置が並び、汚泥が発酵・乾燥・ペレット加工されていく様子を間近で見ることができました。発酵の過程でしっかりと水分が抜かれ、最終的に使いやすいペレット状の肥料へと仕上げられていく工程には、地域農業と密接に関わる技術的な工夫が詰まっていました。
また、現地で特に印象的だったのは臭気対策の徹底ぶり。汚泥処理施設というと強い臭いを想像しがちですが、施設周辺ではほとんど気にならないレベルに抑えられていました。水洗式スクラバーや軽石脱臭装置、大気チャンバーシステムなど、技術が駆使され、外部への影響を最小限にとどめていることが実感できました。
今回の取材を通じて、汚泥の肥料化が単なる廃棄物処理ではなく、地域の農業や環境負荷の低減に貢献する持続可能な取り組みであることを改めて感じました。こうした技術の普及には、国や自治体の支援も不可欠です。本メディアでは、発酵装置を開発・販売している中部エコテック株式会社の監修のもと、汚泥肥料化のさらなる可能性や技術的な側面について詳しく解説しています。興味のある方は、ぜひ参考にしてください。
中部エコテック株式会社は、循環型社会の実現を目指す環境ソリューションを提供する企業。汚泥の肥料化やエネルギー化技術をはじめ、有機性廃棄物・産業廃棄物を有効活用に関するサービスを提供しています。高度な技術力と豊富な実績を基に、国土交通省の「B-DASHプロジェクト」に参画し、自治体や地域社会と連携し、持続可能な未来づくりを支援しています。開発したコンポの納入実績は4,000台以上(2024年12月時点)にのぼります。